投資信託は多数の出資者から少額ずつ出資金を集めて、投資のプロが株式や債券や不動産などに分散投資する仕組みになっています。
個人では投資しにくい高額の株券や債券も投資戦略に組み込むことができ、比較的高利率で安定した運用が可能であるため、投資の初心者から上級者まで幅広い人気を集めています。

一口に投資信託といっても、組み合わせる銘柄の種類によって、多種多様な商品があります。
最も元本割れのリスクが小さいのは債券だけを組み合わせたファンドで、初心者向きと言えます。
債券に株式も加えたファンドは中級者向き、株式中心のファンドは上級者向きで、リスクが増加する代わりに高いリターンが期待できます。
ただし利回りの数字だけで投資信託を選ぶのは問題があります。

投資信託のインデックスファンドについて

投資信託の一種にインデックスファンドと呼ばれる商品があります。
インデックスとは日経平均株価や東証株価指数TOPIXなど、市場平均を示すベンチマークのことです。
インデックスファンドとはベンチマークに連動した値動きを示すように作られた投資信託を指します。
たとえば日経平均株価に連動させたインデックスファンドなら、日経平均を構成する各銘柄を中心としてファンドに組み込んでいます。

初心者のうちは有望な銘柄とそうでない銘柄を区別するのは困難ですが、インデックスファンドなら市場平均に連動しているので、年間収益の予想がしやすく、ファンドを選びやすいという利点があります。
投資会社の側でも投資先選びに頭を悩ませる必要がないため、管理運用手数料が安くなっています。
さらに購入手数料が無料のノーロードファンドも多数存在します。
たとえ利率が高くても、手数料の高い投資信託は利益を削られてしまうため、これは大きなメリットと言えるでしょう。

インデックスファンドの価額は市場平均に連動しているため、必ずしも利率が高いとは言えません。
一般に先進国の株式市場は、安定はしているものの急成長が見込めるわけではないためです。
実際に日経平均株価やTOPIXに連動したインデックスファンドの多くは、ここ10年間で2~3%程度のリターンにとどまっています。

ただしインデックスファンドには、外国債券や外国株式やREITを投資対象とする商品もあります。
急成長する新興国の市場に投資するインデックスファンドなら、国内に投資を絞ったファンドよりも高い利回りを期待できます。
こうしたファンドでも手数料が安いというメリットは共通しています。
為替変動のリスクはありますが、投資戦略の一環として取り入れてみる価値はあるでしょう。

バランスファンド

いくつかのインデックスファンドを組み合わせた商品を、バランスファンドと呼ぶことがあります。
国内株式と国内債券、外国株式と外国債券などを、同じ割合になるように購入するのが特徴です。
バランスファンドは互いのリスクを打ち消し合って、安定した長期投資ができるように考えられています。

バランスファンドでは一定期間ごとに投資の割合が見直されます。
たとえば外国株式が大きく値上がりし、国内株式が値下がりした場合、外国株式を売って利益を確定し、その資金で割安な国内株式を買い足します。
投資の割合を一定に保つことで、安定した高利回りを確保するという狙いがあります。

アクティブファンド

インデックスファンドに対して、投資会社の判断で銘柄を選ぶ投資信託をアクティブファンドと呼びます。
有望な銘柄だけを選んで組み合わせるため、大当たりすればインデックスファンドより遙かに大きな年間収益を上げることができます。
ただし予測が外れれば元本割れする危険もあります。

アクティブファンドは基準価額の騰落が激しく、一時的に損をしたと思っても、すぐに回復し大きな利益を生むことがあります。
そのため一度に多額の投資を行うのは、上手な投資戦略とは言えない面があります。
一定期間にわたって少しずつ積み立てていくのが、安全で確実な方法と言えます。

利回りを主な指標として投資信託を選ぶなら、新興国のインデックスファンドか先進国のアクティブファンドということになります。
ただし先進国のインデックスファンドにも、資産規模が大きく流動性が高いというメリットがあります。
資産規模が大きければ安定性が増加し、流動性が高ければ容易に換金できます。

このようにインデックスファンドは、市場の平均以上に大きな利益を目指すには向きませんが、選び方次第で確実な年間収益を期待できるため、初心者の積み立て投資にも適しています。
商品の種類も非常に多彩ですが、金融機関によって取り扱っている商品は異なるため、品ぞろえを比較して選ぶことが大切です。

長期投資することで利回りはプラスになる

大きく分けると投資戦略は、2種類の利益を目的としています。すなわちキャピタルゲインとインカムゲインです。
キャピタルゲインは購入価額と売却価額の差額から得られる利益であり、インカムゲインは資産を一定期間保有することで得られる運用益です。
前者は比較的短期間でも達成できますが、後者は長期投資が前提となります。

現在の日本では、キャピタルゲインを獲得するのに適しているのが株式投資、インカムゲインを獲得するのに向いているのが不動産投資ということになるでしょう。
株価は大きく変動する可能性があり、リスクは高いがリターンも大きな投資と言えます。
他方、地価の急騰が見込めない状況では、賃貸経営などの長期投資が、不動産から収益を上げる主な方法になります。

投資信託ではキャピタルゲインもインカムゲインも期待できますが、基本的には運用益の還元を狙って一定期間保有するのが定石になります。
ほとんどの投資信託はバランスを考えて複数の投資対象を組み合わせているため、株式に比べれば価格変動が抑えられています。
短期間で大きな収益を上げたいなら、株式投資のほうが向いています。

とはいえ投資信託も基準価額は常に変動しており、適切なタイミングで売却できるかどうかは重要なポイントになります。
十分な運用益を獲得し、さらに購入価額より高額で売却できれば言うことはありませんが、必ず上手くいくとは限りません。
場合によっては基準価額が下がったことで不安になり、あわてて売却に踏み切ったため、結果的に利回りがマイナスになってしまうこともあります。

株価が下落する局面では、インデックスファンドの基準価額も低迷しがちであり、投資を打ち切る決断も必要でしょう。
しかし短期的な視野だけでは判断を誤る可能性があります。
特に先述のような新興国のインデックスファンドは、市場の動向により急騰に転じる場合があり、性急な判断は間違いの元と言えます。
運用費用が安いというインデックスファンドのメリットは、長期投資で最大限に活かすことができます。
短期的には利率が低くても、コストが安ければ年間収益は大きくなります。

投資信託を短期間で売買するには、かなりのリスクがついてきます。
安価で購入し高値で売却するには、市況に関する十分な知識と経験が必要ですし、いくらかは幸運の要素も求められるでしょう。
初心者でも安定した年間収益を上げるには、少額ずつ積み立てるのが失敗の少ない方法のひとつです。
投資のプロは別として、一般的なサラリーマンが副業として投資を行う場合でも、厳密なタイミングを要求されないので利用しやすいでしょう。

長期投資のメリット

長期投資には収益の波を減らすというメリットもあります。
特に振れ幅の大きい株式投資信託では、高利回りで運用できる時期と、利率が低迷する時期の差が大きくなりがちです。
しかし一定期間保有していれば、こうした差は相殺されて、年間収益の安定化が期待できます。
かなり大きな不況の時期を挟んだとしても、投資が長期間になればなるほど、トータルで見れば利回りがプラスになっていることが少なくありません。

以上のようにコスト面からも、また収益の安定性の面からも、投資信託は長期で行ったほうが成果が上がりやすいと言えるでしょう。
もちろん投資対象は何でも良いわけではありません。
たとえばインデックスファンドにおいては、これから伸びていく国や市場と、衰退期にある市場とを見極めることが重要です。

長期投資が基本の投資信託にも、いずれは出口戦略が必要になります。
どの程度の期間で売却するのか、あらかじめ見当をつけておけば、投資戦略を立てやすいでしょう。
複数のインデックスファンドを組み合わせて、独自のポートフォリオを作成することも可能です。
そのため初心者だけでなく、投資のベテランも効果的に活用しています。

分配金利回りが高いだけで投資してダメ!

投資信託の中には、一定期間ごとに運用益を投資家に分配金として還元している商品があります。
運用益には保有資産の売買差益のほか、株式の配当金や債券の利子収入などが含まれます。
運用益の大きさがファンドマネージャーの実力を直接的に示していると言えるでしょう。

数多くの投資信託の中には、分配金がまったく支払われないものや、1年ごとに支払われるもの、1か月ごとに支払われるものなど、商品ごとに色々なタイプがあります。
分配金は投資家の利益の源泉となりますが、分配金が支払われないタイプの商品は、売却時の値上がりが購入の目的になります。

分配金は定期的に確実な収入として獲得できるため、投資家によっては分配金の利回りだけで投資信託を選んでいるかもしれません。
しかし分配金だけを投資信託選びの基準にすると、思わぬ落とし穴に陥る可能性があります。
それは投資額が元本割れするリスクがあり、また商品によっては売却時の利益が少なくなることです。

分配金がない商品や、分配金の利率が低い商品は、運用益を元本に組み入れていることになります。
分配金の割合が増えるほど、元本に組み入れられる運用益の割合は少なくなります。
そのため分配金の還元を保証しようとすると、場合によっては元本が削られてしまう恐れがあります。これが元本割れの原因のひとつになります。

反対に分配金の利回りが低く、運用益で元本が膨らんでいくタイプの商品では、膨らんだ元本がさらに大きな利益を生む可能性があります。
もちろん必ず儲かるわけではありませんが、機会利益が大きくなることは確実です。
また基準価額も上がっていくため、売却したときに多額の収入を得られます。このように投資信託の収益は、長期間のトータルで考える必要があります。

とはいえ分配金の利回りが高い商品にも、早期に収益を確定させられるというメリットがあります。
最終的に基準価額が上昇する保証はないわけですから、毎月確実に収入を得たほうが良いという考え方も間違いではありません。
とりわけ市場が縮小傾向にある局面では、長期的に投資しても大幅な価額上昇を見込めないので、分配金をあてにしたほうが賢明かもしれません。
ファンドの種類によって、投資戦略を切り替えることが大切です。

分配金の利回りが高い銘柄は、過去の分配金の支払い実績を十分に確認する必要があります。
分配金を優先するあまり、ファンド自体が破綻しては元も子もありません。高額な分配金を支払うだけの余力があることは必須条件です。
なぜ高い利率を実現できるのか、運用目論見書や報告書を詳しく把握し、信頼できる投資会社を選ばなければなりません。

結局選ぶポイントは?

投資信託選びのポイントは他にも色々ありますが、初心者には商品数が多すぎて迷うことも多いでしょう。
従来は証券マンに勧められて、よく分からないまま購入することも少なくありませんでしたが、最近ではネットを利用して、自分に最適な商品を検索できるサービスが提供されています。
分配金に関しても、単に利回りの高さでリストアップするだけでなく、トータルリターンの高さを基準にすることができます。

短期的に利用するか、中長期で投資を考えるかでも、選ぶべき銘柄は変わってきます。
目的に合わせた資産形成を行うには、それぞれのリスクとリターンを把握し、最適なポートフォリオを行うことが大切です。
分配金もひとつの要素とし、銘柄の信頼性や運用の柔軟性、さらに将来性まで見極められれば万全と言えます。

近年急速に業績を拡大しているネット証券は、手数料が比較的安いこと、取扱商品の数が膨大なこと、最低500円から積立投資ができることなど、さまざまな利点があって、これまで投資信託に興味がなかった層からも支持を集めています。
勉強という意味合いも含めて、気軽に投資信託を始めてみるのも良いでしょう。

記事一覧

資産運用の対象には大きく、実物資産と金融資産の2つがあります。 それぞれの違いは、簡単には実物がある...

株で成功することが出来る人は一握りであるといえます。全体のうちの大部分の利益を得ることが出来るのはそ...

企業を図る指標の1つに株価があります。 株価は商品と同じように毎日変動し、決まり方にはいくつかの要因...

証券会社にはネット証券と総合証券があります。 総合証券には実店舗の運営に加えてインターネットでも取引...

貯金の金利が大きく下がり、資産運用をするために、投資を行う人が増えています。 しかし、企業の株式や債...

銀行でも資産運用として投資信託を取り扱うところが増え、以前より投資が身近になってきました。 投資信託...